全日本ローンコート選手権参戦記
“KUTC 3連覇”
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平成18年11月27日
昭28年(新制1回)卒 石川哲二
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平成18年11月16日から19日まで、佐賀の九州ウインブルドンテニスクラブで行なわれた
第30回全日本ローンコートベテランテニス選手権大会の男子75歳以上シングルスに優勝
することが出来た結果、一昨年、昨年と渡辺健一さん(昭28年卒)の連覇の偉業に加えて、
KUTCメンバーによる同種目3連覇を達成することができた。 恐らく神戸大庭球部歴史のな
かで、現役、OBを問わず「全日本」と名のつく大会での3連覇は初めてのことと思うので、其
の中に名を連ねることが出来たのは大変光栄な事と思う。
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全日本ローンコートテニス選手権は読んで字の如く、本邦唯一の天然芝を使ってのテニストー
ナメント(雨天他やむをえない事情ある時は屋内カーペットまたは屋根つき屋外砂入り人工芝)
で、毎年名古屋で行われる全日本ベテランに次ぐグレードの「全日本選手権大会」である。
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私は4年前に韓国ベテラン連盟会長の金教成氏と組んで、この大会での70歳以上ダブルス
に優勝したことがあるが、シングルス優勝は今回が初めてのことで大変喜んでいる。
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前置きが長くなりましたが、試合内容をかいつまんで報告します。
私は第2シードであったので、初回戦は2Rからで、相手は75歳以上としては珍しくサーブが強
くサーブアンドボレーの得意な山元選手が勝ち上がってきた。1回戦が無いのは私にとっては
逆ハンデキャップだ。 なにしろ天然芝は慣れるまでが大変で、バウンドが低い、イレギュラー
が多い、フットワークが難しいなど見た目より遥かにやりにくいサーフィスのため、1回戦辺りで
それ程強くない相手と当たって芝に慣れておくことが肝要だが、それも叶わず強力サーブに相
対した。ファーストはなんとか凌いで取ったが、セカンドセットから相手のサーブアンドボレーが良
く決まりだし、中盤のつまらぬミスもあって守勢になってセカンドセットを落としてしまった。ファイ
ナルセットになっても状況が変らず0−3でリードされてしまったが、1ゲームを取ればなんとかな
ると開き直ってラケットの振りを良くしたところ、リターンエースが2本出て1ゲームを取ったら、そ
のまま6ゲーム連取し、逆転勝ちをすることが出来た。 とても合格点のつけられない試合であっ
たが、反省点は次の2試合に生かす事が出来たと思うので、あながち悪いことばかりでは無かっ
たと思っている。 この試合を終始応援してくれた日ごろの練習相手の村尾光明君(昭38年卒)
に大変感謝している。
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準決勝の日は雨天のため、屋外屋根つき人工芝となり、相手は酷暑の毎日オープンで風邪のた
め棄権負けをした伊藤選手であったが、前日の反省を活かし、また、やり慣れた人工芝での安
心感も手伝って、3ゲームを与えたのみのストレート勝ちであった。
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決勝の日も雨天のため天然芝が使えず、屋根つき人工芝での試合となった。相手は第一シード
の赤鹿選手で驚くべきことに私より4歳年上の79歳でありながら、コートを縦横に走り回ってドロ
ップショットなぞ軽々と拾って逆襲してしまうフットワークと体力があり、8月末の関西オープンでス
トレート負けを喫した方であったので、今度はリベンジをと張り切って相対したものの、中盤で慎
重になり過ぎ ファーストを5−7で落としてしまった。セカンドセットからは、初回戦のことを思い出
しながら、こちらも思い切ったショットを打ち返し、結局6−2、6−3で逆転勝ちでの優勝となった。
相手の赤鹿さんは小柄ながら其の体力、技術力に優れ、また試合態度がまことに奥ゆかしく、素
晴らしいテニスプレイヤーで、私の範とすべき方であった。
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結局天然芝の試合は一つだけで、物足りない気持ちもあるが、この勝利の結果、75歳以上の全
日本シングルスランキングは第一位になったのではないかと思うが、これは真の実力とは必ずしも
一致しないところである。
以上 |
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